2017.12.18
「西の神山、東の藤野」 ~エコヴィレッジ藤野の魅力~
学校法人シュタイナー学園 ニュースレター
VOL.23 2017.12.18
今回はシュタイナー学園がある藤野という地域についてお話します。
田舎だけど都会的、里山だけど未来的、若年層の移住者も押し寄せる地域:藤野の魅力は何なのでしょうか。
「人の誘致」を政策として掲げた旧藤野町
民間主導による創造的なまちづくりの徳島県神山町が町おこしの代名詞として日本一有名な町となりましたが、そんな神山町と肩を並べるほどのユニークな地域が新宿からわずか1時間のところに存在します。2007年に相模原市に編入合併したことで見えにくくなった旧「藤野」町ですが、今では「西の神山、東の藤野」とも呼ばれています。
戦時中に藤田嗣治の疎開を皮切りに多くの芸術家たちを受け入れてきた下地が芸術の町として花開き、のちに過疎化対策としても「人の誘致」を政策として掲げた旧藤野町は、工場や企業・観光施設の誘致が他自治体の主流だった当時においても独自路線の地域活性化だったと言えます。
面白い人が集まれば、自然と面白い町ができあがる
1996年には持続可能な環境デザイン体系を学べる『パーマカルチャーセンタージャパン』が藤野に創設され、2004年には10校から3校へ統廃合した廃校にシュタイナー学園を誘致しました。そこへ毎年入学するために移住してくる保護者を中心に、2009年には『トランジションタウン藤野』(持続可能な生活に移行「トランジット」していくイギリス発の住民活動)が日本で第一号として活動を開始(現在は全国に50以上)し、その他『法定貨幣を介さない交流を生む地域通貨よろづ屋』『電気を自給自足する藤野電力』『地元農家が直売する朝採り野菜のビオ市/野菜市』『共同飼育による地産地消の地域チキン』『限界集落リノベーションの廃材エコビレッジ』『森林再生の間伐活動の森部』などが次々に誕生し、持続可能な生きかたを探求する先進的な営みが日々の生活の中で実践される特異な町・藤野へと昇華されていきました。
子育てをする環境としても、自然育児や外遊びといった都会では難しくなったしまった環境が残っています。地域の人も特に子どもには親切で、多くの方が声をかけてくれたり面倒をみてくれたりします。そうした意味でも藤野全体で子どもを育む「学校」と言えるかもしれません。
川本潤(広報室)