2018.06.26
藤野以外の暮らしってどんな感じ?
学校法人シュタイナー学園 ニュースレター
VOL.37 2018.6.26
シュタイナー学園に入学・転入を考えているご家庭にとっては、引っ越しを伴う方がほとんどだと思います。シュタイナー学園に興味があるけれど、「通勤が大変じゃないの?」「物件はあるの?」などの心配で、前のめりになれないご家庭も多いのでは。
今回はそんな皆さんの参考になればと、藤野よりも都心までのアクセスが良い「高尾」と物件の相場が安い「上野原」の暮らしにスポットを当てて、通勤通学事情をインタビューしました。
こんな方々にお話を伺いました
●入学を機に都心から高尾に引っ越してきたAさん
東京都高尾在住、夫・お子さん2人(小4、幼稚園年少)。ご主人は四谷まで通勤。
●シュタイナー学園のことを知る前から高尾にお住まいのBさん
東京都高尾在住、米国人の妻・お子さん3人(小3、幼稚園年長、0歳)
●流れに身をまかせていたら上野原にたどり着いたCさん
山梨県上野原在住、夫・お子さん1人(小3)。ご主人は吉祥寺まで通勤。
高尾はどんな場所ですか?
Bさん:八王子市の郊外にあって、電車で新宿45分、東京駅60分、新横浜70分と都心や横浜へのアクセスも程よいです。ラッシュ時も高尾駅始発が基本なため座って行くことが可能です。八王子や立川にも近いので、都心まで行かなくてもほとんどのことが事足ります。高尾駅の南側は駅近くにマンション、新興住宅、ショッピングモールやホームセンターなど商業地が充実しています。北側は多摩御陵があり、閑静な住宅地と大きな公園が多数あります。藤野駅まで電車で15分前後です。
上野原はどんな場所ですか?
Cさん:上野原市は山梨県ですが、都心から中央道やJR中央本線で簡単にアクセスできます。藤野の中心部からは車でだいたい10分ほどの距離で、大きめのスーパーやドラッグストア、図書館、病院もあり、藤野の人たちの生活圏にもなっているようです。飲食店も多く、自然食品店もありますよ。南口駅前が再開発で最近ホームセンターと大型スーパーができました。移住に力を入れていて、市役所内に移住・定住ワンストップ窓口があり、空き家バンクを活用した物件のリフォームに対する補助もあるみたいです。
高尾や上野原を選択したのはどうしてですか?
Aさん:上の子が入学したとき、下の子はまだ生後2ヶ月でした。藤野暮らしに憧れもありましたが、とにかく夫の帰宅時間が早いほうがいいと考え、高尾に家を借りました。子どもの学年が上がってくると、高尾よりも都心よりに引っ越す家庭もあると聞きました。通学する子どもの体力と通勤する親の体力は、成長につれて逆転していきます。そのあたりも考えて、まず賃貸で柔軟に暮らしていくのもよいのでは、と思います。
Bさん:12年前に米国から帰国した際に友人の紹介で高尾へ移住しました。 仕事で都心や山梨へ行く必要もあったので高尾が便利でした。車でも電車でも程よくアクセスが良いので3年後に住宅を購入しました。
Cさん:藤野の不動産屋に1度行ったのですが希望する物件がなく、夫が見つけてきた上野原の小さくて昭和の香りムンムンの借家物件の写真を見て即決しました。
通勤・住宅事情などを教えてください。
Aさん:通勤は、高尾から四谷まで、電車の日と車の日と半々ぐらいです。高尾は始発駅なので朝はゆっくり座れます。帰りは座れたり座れなかったり。座りたいときはいったん東京駅まで出るか、特急をねらって。少し先ですが、2023年度末にはJR中央線グリーン車サービス開始予定。京王線は2018年から有料の座席指定車「京王ライナー」が運行しています。疲れている日に利用できるとだいぶ楽だと思います。
Bさん:高尾の家賃の平均は2LDK6.8万、3LDK7.5万、4LDK10万で、戸建住宅の物件が多いようです。
Cさん:夫の職場が吉祥寺。電車で平均1時間前後。わりと座れるみたいです。車だと1時間以内です。築40年平屋の2LDKプラス庭、縁側掘りごたつ付きで家賃6万円。この位の平屋物件がわりと多いみたいです。藤野より家賃が安いような気がします。
通学をどうしていますか?(いましたか?)
Aさん:片道約30分を2往復していました。正直、赤ちゃん連れだったので大変でした。みなさんのおかげで送迎ルールが見直され※、本当に楽になりました。ありがとうございます。声をあげれば変わる、助けてくれる人たちがいる、と思えたことは今でも力です。また、藤野の友人が「お茶しようよ」「帰るのが大変だったら、うちにいたら?」とよく誘ってくれたのも、助かりました。学園全体で家族のような雰囲気があり、そこが好きです。
Bさん:通学は車と電車両方を利用。車は高速利用で約40分、電車とバス利用で自宅から約60分、同学年の親御さんとシフトを組みながら交代で送迎しています。電車の遅延、運転再開など「たかお会」※のメーリングリストに助けられています。
Cさん:基本は駅まで徒歩(平均8分)→電車(4分)→藤野駅からバス(15分程度)。車では15分ほどです。バスと電車の本数が少なくタイミングを合わせるのが難儀だったので、昨年始まった送迎支援には非常に助けられました。
お住まいの地域のアピールをどうぞ!
Aさん:高尾といえば高尾山!若葉も紅葉も一級です。観光地として活気もあります。大きなショッピングセンターがある一方で、蛍も桜も温泉も楽しめます。藤野のお友だちとなかなか遊べないかな、と心配していましたが、高尾のほうでも近所にお友だちができ、習い事などにも通いやすく、子どもは放課後も楽しく過ごしています。
Bさん:陵南公園や南浅川周辺で年間を通じて様々なイベントがあります。南浅川は年間を通じて川遊びもでき、高尾山、陣馬山も近く自然が豊かな中で十分な都市機能を備えている場所です。都心への通勤と学園への通学のバランス、自然と都会のバランスがうまく取れている町ではないでしょうか。周囲にはスイミングスクールやインドアスクールも新たにでき、選択肢が豊富です。
Cさん:適度な距離に都市機能が集中していて、ほんの少し足を伸ばせばいくらでも自然を堪能できます。帰り道に桂川の川っぺりでおやつを食べたり花や桑の実を摘んだり、虫やら鳥やら観察しながらのんびり帰っています。湧き水を汲むことができる場所があったりで水が美味しいです。自治会が緩いです。
※「通学サポート制度」サポート員が藤野駅⇔学園間のバスに付き添うことで、親御さんの負担が減りました。1、2年生が利用可。
※「たかお会」高尾在住の人たちが任意で入っているメーリングリスト。電車の運転状況、各学年の下校時間や不審者の情報などを気づいた人が投稿してくれる仕組み。ランチ会やお花見会のお誘いなども。
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それぞれのご家庭の暮らしやすさを柔軟に選択して、その地域で楽しんでいるみなさん。新しい家を決める、電車通学になる、職場が遠くなるなどは不安要素かもしれません。でもみなさんのお話を伺っていると、来たらどうにかなったし、周り人にずいぶんと助けてもらった。という共通項が。繋がって支え合うのが自然なことなのですね。実際、愛ある多くの手が学校からも地域からも差し伸べられることにびっくりするのです。現在シュタイナー学園の1〜6年生の3割弱が藤野以外から通学しています。高尾があったか!上野原もいいかも。と選択肢が増えるといいなと願っています。
なかむらあや(ライター)