2018.11.28
家庭で過ごすクリスマス、アドヴェントについて
学校法人シュタイナー学園 ニュースレター
VOL.48 2018.11.28
家庭で過ごすアドヴェントのお話を7年生と10年生の保護者、Eさんに伺いました。
クリスマスを待つ四週間を(※)アドヴェントと呼びます。この期間は学園でも特別な時間が流れます。保護者のかかわりとしては、とかしたミツロウでアドヴェントろうそくを手作りし、日ごろの感謝の気持ちを込めて学園に贈る、ろうそう作りのワーキンググループがあります。私も娘が入学したときに、このアドヴェントろうそくの会に出会い、参加しています。また同時に学園保護者が担うしつらえ係(学園のしつらえを担う、保護者の任意の活動)もしているので、一年で一番忙しい時期です。
同じころ、家庭でも贈り物やろうそくの準備をします。私は学園に入るまでアドヴェントのことを知らず、日本でクリスマス・イヴといえば街がきらびやかになるだけのイメージ。ご縁があってろうそく作りの会に誘われて、イブの日はマリア様が頑張っている日だから、まだお祝いするのは早いということを知りました。学園では教員によるクリスマス劇が行われ、我が家では日曜日にクリスマスのお祝いをします。アドヴェントの時期を過ごすうちに、宗教を超えた根源的なものだということが感じられるようになり、光の到来を心静かに待つという時間を楽しめるようになったのです。
我が家では、4本のろうそくを作ってもみのきのリースにしつらえます。アドヴェントストリングスはクルミをリボンでつなげたものを用意します。クリスマスから4週間前の日曜日、第一アドヴェントは鉱物界のお話、第二アドヴェントは植物界、第三アドヴェントは動物界、第四アドヴェントは人間界のお話をします。それに合わせて、アドヴェントストリングスにも一週目は水晶やきれいな色の石、二週目は種や木の実、三週目はお話に出てくる動物のモチーフや貝殻、四週目は切手やコインなどを準備します。クルミの大きさに入るものを考えるのも毎年の楽しみです。
低学年の時は羊毛、マリア、ヨセフ、ロバ、天使、星などを作って季節のテーブルをしつらえました。子どもがいない時間にこっそり用意するのです。月曜日の朝、子どもが「わぁ」と喜ぶ姿が毎年見られましたが、4年生くらいからはだんだん反応が鈍くなってきます。上の子は、お母さんがやっているとわかりきっているようでしたが、下の子が楽しみにしている姿を見守ってくれていました。
夕食の前、少し暗くなったころにろうそくを灯し、子どもが小さいときはアドヴェントの歌を歌いました。アドヴェントストリングスをあけるのは兄弟順番にという習慣は、下の子が5年生の時まで続きました。6年生の頃は反抗期で歌うのも恥ずかしくなってきますが、楽器の演奏をお願いすると快く引き受けてくれました。
子どもが小さいときにあれこれ準備するのは大変でしたが、子どもが大きくなるとつきあってくれなくなるので、今思えば特別な楽しみの時間でした。保護者同士の情報やストリングスの中身の交換もあり、子どもにみつからないようにマッチ箱に入れてとりかえっこしたりと、保護者同士の交流も深まりました。はじめての保護者には手作り係がワークショップを開催してくれます。また、手作りのアドヴェントストリングスではなく紙のカレンダーもあり、毎年文具係がドイツから輸入するものを買うことができます。
まだ日本にはなじみのないアドヴェントですが、普段にぎやかな我が家も、ろうそくやしつらえがある空間で、アドヴェントのしつらえやカレンダーなどが助けになり、何もなくただ静かに過ごす時間が楽しめます。子どものためにも、自分のためにも、毎年大切なひとときです。
※アドヴェントについてや、学園でのアドヴェントの様子は、過去の活動の報告のこちらの記事をご覧ください。