2022.10.12
九州から移住してでも通いたい学校・暮らしがそこにはありました
学校法人シュタイナー学園 ニュースレター
VOL.142 2022.10.12
今年の3月、シュタイナー学園に通うために夫と娘と、福岡県から山梨県上野原市に移住しました。私たち夫婦が数あるオルタナティブスクールの中で、藤野のシュタイナー学園を選んだ大きな理由のひとつに、学校を含めた藤野という土地のコミュニティの存在がありました。
以前、デンマークで100人ほどの人たちがサステナブルに暮らすエコビレッジコミュニティに3ヶ月ほど滞在したことがあります。デンマークに興味を持ったきっかけは、幸福度が世界で第2位だったことでした。日本の幸福度が54位なのに対して、なぜデンマークなどの北欧の国の幸福度は高いのか? という謎を解き明かしたかったのです。それまで私は、学校や職場など大人数が所属する集団や組織がすごく苦手でした。どこか居心地が悪かったのです。
しかし、デンマークのエコビレッジでは似たような価値観を持つ人たちが楽しそうに暮らしを共にしていました。もちろん人はそれぞれ考え方が違うので、意見が合わないこともあると思います。そこのコミュニティでも、時にひとつのルールを採用するために、100人が納得するまで何年も話し合いを続けることもあると教えてもらいました。でも、そういう生き方にお互い賛同し、納得して集って生活するそのスタイルに衝撃を受けたのです。食べ物や環境に対する考え方や、家族のあり方、暮らし方などの考え方が似ている人たちが共に生きている、その世界観にすっかり魅了されました。
そこで過ごしたことがきっかけで、「日本でもそういう暮らしができたらいいな」と漠然と思っていました。初めて藤野の土地を訪れた時、自然豊かな環境にシュタイナー学園が存在している素晴らしさに加え、藤野という町自体がデンマークのエコビレッジのようなひとつのコミュニティとして成り立っている感じがしたのです。
最近では、「教育移住」といった言葉もあるようですが、「シュタイナー学園に子どもを通わせたい!」と思い、集った保護者たちと過ごす日々は学びがとても多く、新しいことに出会う毎日です。今までとは違うライフスタイルを送ることを決断したからこそお互いに共感し合え、困ったことがあったら助け合い、多くを話さなくてもつながっている感覚や、新旧関係なく受け入れ、自分と他者との信頼関係が自然と結ばれていく……、そんなコミュニティのような気がしています。
そんな藤野と学園のコミュニティの片鱗を感じさせてくれる「藤野まるまるマルシェ」が3年ぶりに11/12(土)現地開催されます。このマルシェはシュタイナー学園の保護者有志が主体となって、地域の方たちと協力して作り上げていくイベントですが、特に私の夫は、そんなマルシェのあり方に大変惹かれたようで、私たちの学校選びの基準のひとつにもなりました。子どもたちが学ぶ場所は学校だけでなく、周囲の環境や地域の方とのコミュニケーションも含まれていると感じています。
私たち夫婦も、今回からマルシェの実行委員として関わらせてもらうようになり、この藤野のコミュニティのすばらしさを改めて知ることができました。この藤野とシュタイナー学園はライフスタイルを含め子どもと共に成長できる場だと感じています。そんな藤野をまるごと体感できる、藤野まるまるマルシェにぜひ、遊びに来てください。
ライター/保護者 松村有加