2024.08.07
先生への憧れがきっかけ 子どもたちと関わり続けられる仕事がしたい
卒業生コラム 第10期生 脇元克也さん × 第23期生 石橋蒼土さん(前編)
学校法人シュタイナー学園 ニュースレター
VOL.189 2024.8.7
シュタイナー学園第10期生で、現在は学園で体育と数学の授業を受け持つ脇元克也先生。同じくシュタイナー学園を2021年春に卒業し、教員を目指して大学に通っている第23期生の石橋蒼土さん。お二人に“教員を選んだ理由”や“教員として大切にしたいこと”などについて対談していただきました。
石橋蒼土さん(以下、石橋) 脇元先生はシュタイナー学園を卒業後、体育大学を卒業し、大学院まで出られたのですよね。公立や私立、たくさんの学校がある中で、どうしてご自身が卒業されたシュタイナー学園の教員になることを選択されたのですか?
脇元克也先生(以下、脇元) 私が学園に通っていたのは15年以上前になりますが、高校生の頃から「いずれこの学校の体育の先生になりたいな…」という気持ちがありました。きっかけは、体育を教えてくれていた先生への憧れです。その先生は、平日は他の学校で働きながら、土曜日だけ体育を教えに学園に来てくれていました。高校生ながらにその大変さを想像して「そんな思いをしてまで教えに来てくれる理由、やりがいがこの学校にはあるんだなぁ」と感じていました。それが教員の道を歩むようになったスタートラインですね。
石橋 なるほど。僕は昨年、公立の小学校で教育実習を終えたのですが、脇元先生も教育実習は公立の学校でしたか?
脇元 そうですね。公立の中学校へ実習に行きました。楽しかったのですが、自分が育ったこの学園の環境のように、あまり大規模ではない学校で教えたいという希望がありました。規模が大きいと生徒の数も多くなります。そうなると、子どもたちとの関係性や、子どもと向き合うことが難しくなるだろうな…と。シュタイナー学園はひとつの学年にひとクラス。それくらいの規模が自分には合っているだろうと思っていたところ、タイミングよく学園からお声がけいただきました。
石橋 いずれ、と考えていたのに、卒業後すぐにシュタイナー学園の教員になることが決まったのですね。僕は在学中、下の学年の子どもたちと遊び、見守る機会が多くありました。その中で「子どもたちと関わり続けられる仕事がしたい!」と強く思うようになっていきました。また、色々な社会問題が起きていますが、それらを解決したいと考えた時、教育が何よりも大事になるとも感じ、教員を目指しました。シュタイナー学園には共通した考え方や感性を持った家庭が多く集まっています。長い間その中で過ごしてきたので、今はそういった環境の中ではなく、多種多様な考えの家庭、さまざまな子どもたちがいる公立学校で働いてみたいという気持ちがあります。
脇元 いいですね!私はシュタイナー教育の理念や思想はもちろん大切にしていますが、それが絶対だとは思っていません。どんな学校にも、どんな教育にも、良い面もあればその逆もあると思います。ぜひ他の学校や教育の良いところ、面白いところを私にもたくさん教えてください。
石橋 はい。そういえば、脇元先生のご家庭にお子さんが生まれたと聞きました。育児休暇を取られたそうですが、いかがでしたか。また、お子さんにシュタイナー教育を受けさせたいと思いますか?
脇元 産前産後育児休業を取得して、出産にも立ち会うことができました。私は教育方針のみにこだわるのではなくて、“家族が愛を持って過ごせることが一番大切”と思っています。私の想いだけでシュタイナー教育で育てると決めるのではなく、家族みんなでこれから模索していきたいと考えています。
ライター/林 亜沙美