2024.10.30
学園カレンダーに込められた想い
学校法人シュタイナー学園 ニュースレター
VOL.195 2024.10.30
学園内だけでなく、全国各地にリピーターやファンを持つ『シュタイナー学園カレンダー』には、25年以上の歴史があります。12年生までの生徒たちが授業の中で「色の体験」をしながら描いた水彩画などが紹介されており、子どもたちのいきいきとした喜びを感じることができます。カレンダーに込められた想いなどを、カレンダー制作に携わる方々に伺いました。
約10年、カレンダーのデザインを担当しています。ちょうど私が引き継いだ頃に高等部が学校法人化され、これを機に12年の学びを紹介するというコンセプトが出来上がりました。子どもたちの絵を見て感じることはたくさんありますが、一枚一枚にそれぞれの個性が表れているようで、同じテーマの絵でも十人十色。初等部の濡らし絵は生命力に満ちていて、大人には到底描けない力強さがあります。のびやかな学童期から学齢が上がるにつれ、静かな内面を感じさせる絵になっていきます。毎年、ノックアウトされる素敵な絵があり、そうした絵に出会えるのが最大の喜びです。(16・20・23期保護者 黒瀧さん)
2025年版からバトンをいただき、今年から編集を担当しております。制作としては、担任の先生から子どもたちがそれまでに描いた作品をお借りして、デザイナーさんと一緒に掲載作品を選定することがメインです。カレンダー作りを通して、子どもたちの色の感性や瑞々しさに感動し、成長する姿を色や形で知ることができました。カレンダーを見る度に、忘れていた自分自身の子ども時代の感覚や喜びがよみがえってくるようです。(シュタイナー保育園とねりこ子どもの家2期、自主クラスことりさん保護者 林さん)
前任として約10年、編集に携わらせていただきました。毎回、絵の選定はとても大変でしたけど、楽しかったです。終わると気持ちがスッキリとするというか、邪気が落ちるというか、ちょっと疲れていても元気になっていました。全学年の絵を一度に見られる機会ってなかなかないですよね。今こんなことを学んでいるんだ、高等部になるとこんなふうに描けるようになるんだ…など、個々の成長や学年全体の成長も俯瞰できるような感じがありました。また、絵についてのお話を先生方にお聞きすると子どもたちへの愛情が伝わってきて、幸せな気持ちになりました。(25期保護者 和泉さん)
2004〜2012年版の編集を担当しました。小さな自主学校だった東京シュタイナーシューレの、日々奮闘した資金活動のひとつとして、先輩お母さんが始めたカレンダー制作です。今年はどんな絵があるかな? と、出会いへの期待と祈りと共に開く水彩画の束。先生方が考え抜いた色と構図、授業に向かう子どもの気分、紙の質感と濡らし具合と、水彩絵の具が合わさって生まれる奇跡の1枚を「美しいなあ!」と感動しながら選んでいました。宇佐美さんとの協働や学園での時間は、ひとりではできないかけがえのない実りを与えてくれました。(12・15・18・22期保護者 中村さん)
2006年から次の黒瀧さんに渡すまでデザインを担当していました。当時を思い出すと、夕食の時間までとか、子どもたちが寝てからとか、そんな合間をやりくりして、中村さんと色校正をした日々が懐かしくよみがえります。最近、学園を卒業した娘が出産しました。あの日々の先にこんな未来が待っていたとは、という気持ちになりました。カレンダー作りで大切にしていたことは、とにかく絵が主役! その雰囲気を大切に、大切に。そして今も翌月をめくるのが楽しみです。先へつなげてくれてありがとう。(12・16・20期保護者 宇佐美さん)
12ヶ月を通して子どもたちの内面の輝き、自然界の色の美しさを伝えてくれる『シュタイナー学園カレンダー』。ぜひ、実物を手に取ってみてください。
ライター/林 亜沙美
※2025年『シュタイナー学園カレンダー』 は学園公式オンラインストアより購入していただけます。ぜひご覧ください。