2021.04.28
シュタイナー学園のお弁当
学校法人シュタイナー学園 ニュースレター
VOL.105 2021.4.28
シュタイナー学園では、子どもたちはお弁当を持っていきます。毎日お弁当を作っていると言うと「すごいね」「大変だね」なんて言われたり、入学前はわたし自身も「がんばらなくちゃ……」なんて思っていたので、思わず胸をはっちゃいそうなところなのですが。実際学園生活を送ってきてみたところ……いやいや、全然すごくも大変でもないなあ、と思うのです。
今回のニュースレターでは、毎日のお弁当作りをハードルに感じてしまうかたの肩の荷が降りるような学園のお弁当実情をお伝えしたいと思います。
せっかくなので、我が家だけではなく、いくつかの家庭にお弁当アンケートをとってみたところ……以下のような結果がでました。
その1. 夕飯の残りをつめる
夕飯のおかずをちょっと残しておき、あとはぬか漬けやプチトマト、果物などで隙間を埋める。これは多くの家庭で行われているアイデアでした。
その2. おかずは蒸すだけ、茹でるだけ
我が家はこのパターンも多いです。
お芋やニンジンなどの根菜を蒸し、卵を茹でる。いずれも鍋にいれて、火にかけるだけ。それらにお塩をふったり味噌を添えたりして、あとはお米に梅干しでものせたら完成。洗い物もほぼ出ません。
その3. 子どもが自分で作る
4年生くらいになると「毎日ではないけれど子どもが自分で作っていくこともあるよー」という家庭もちらほら。実は我が家でも、わたしと喧嘩をした朝、娘は自分でお弁当を作っていきました。
その4. 冷凍食品を使う
多かったのは有機食品などの宅配サービスのお弁当用冷凍食品。我が家でも宅配サービスの冷凍おかずは常備しています。
その5. ドーンと一品弁当
こちらも我が家もよくやります。ドーンと焼きそば、ドーンとチャーハン、ドーンとカンパーニュサンド。などなど、とにかく一品完結です。意外と子どもには大好評。
番外編
娘のクラスでは月に一度「梅干しの日」という日があります。その日はお弁当箱にお米だけ詰めていき、クラスで漬けた自家製梅干しと味噌をのせて食べるのです。食べ物に感謝する機会を、という担任の先生のアイデアで設けられた日なのですが、「梅干しと味噌が美味しいんだよね〜! お米が甘く感じるんだよ」と、娘。そんなシンプル! なお弁当だって、ありだよなあと思います。
入学前の準備の時に、先生から伝えられたのは「子どもは特に感覚が鋭いため、素材の良いものに触れて育つことが大切なので、お弁当箱は天然素材のものにしてください」ということでした。
水分をほどよく吸ってくれる天然素材の曲げわっぱに入れたお米は、それだけで、とっても美味しいのです。しみじみと美味しい、そんなお米を食べたら、“ケの日”のお弁当は、豪華でなくても華やかでなくてもいいのだと思えました。
それでも体調が悪かったり、忙しかったり、どうしてもお弁当が作れない、そんな日があったとしたら……。
大丈夫です。そんな時はクラスの誰かがお弁当を作ってくれたり、おかずを届けてくれたり、困った時は誰かが絶対に、手を貸してくれますよ。
そんな助け合いがごく自然にうまれていく。それもシュタイナー学園の魅力のひとつなのです。
ライター/保護者 中村暁野