2017.06.26
3年生の米づくり いよいよ今日は『田植え』編
学校法人シュタイナー学園 ニュースレター
VOL.3 2017.06.26
ここはウブドか!?と錯覚するくらい、のどかで豊かな藤野の篠原地区。
田植えだホイ 田植えだホイ
いたずらザリガニ出てくるな
お米が大きくなるまでは
田植えだホイ 田植えだホイ
里山に子どもたちの可愛い歌声が響きます。
今日はお米づくりの中でも特別な田植えの日。
シュタイナー学園では、3年生になるとお米づくりの実習が始まります。お米づくりの先生は、田んぼの持ち主でもあり、ここ篠原地区でずっと稲作をしている河内ご夫婦。緑肥の刈込みから田起こし、あぜぬり、田植え、脱穀、精米まで丁寧に子どもたちに教えてくれます。
お米づくりの実習の日は、お弁当を持って一日中田んぼで過ごします。最初に河内さんの説明を聞く子ども達。
「田植えの頃に山の神さまが田んぼに降りてきて、田の神さまになるといわれていて、それを『サオリ』と呼んだりします。」
「田植えは米作りの作業の中で特別で、昔はお餅をついてお祝いしていたんですよ。」
河内さんは、大人の私たちも知らないことを毎回たくさん教えてくれるのです。
さあ、いよいよ青々と立派な苗を数本ずつ植えていきます。「だいたい1寸くらいの深さに植えていきますよ。」と河内さん。
子ども達は笑顔で頷いています。
お米づくりに先立ち、人の身体と結びついた長さの単位をエポック授業の中で学んできました。指で机の長さや高さを測ったり、自分の身長を腕や足を使って測ってみたり。なので「寸」や「尺」はこのくらいね、というのが身体でわかっているのです。
その他に、「田」「稲」「米」などの漢字も、その成り立ちとともに学習したり、みんなでお米の種まきをした場面の絵を描いたり、古事記の授業の中でお米の起源の話を聞くなど、有機的に繋がった授業によって、様々な発見があったり、美しさをそこかしこに見つけたり。
3年生でお米づくり、4年生で家づくりの実習があるのですが、それにはちゃんと意味があって、今までファンタジーの世界にどっぷり浸かって、世界と一体となっていた子どもたちが、だいたい9歳前後になると、周りの存在(先生やお父さんやお母さんなど)は自分とは違う存在なんだということに氣づくようになるといいます。
その不安や孤独を感じる不安定な時期、自立に向かう時期に、手足をたくさん使うお米づくりや家づくりなどの作業は、自分の足元に意識を向けたり、手足への意識の目覚めを促したり、グッと身体の中に意識を留めたりすることを助けてくれるそう。
みんな田植えの作業も慣れてきて、どんどん進んでいきます。手の空いた子どもは、苗を何度も取りに行かなくて済むように、ある程度まとまった苗を、えーーーっいと田んぼの空いている所に投げていきます。
これがまた楽しくて楽しくて。
田んぼの中に色々な虫がいるのがちょっと怖くて、最初は入るのを躊躇していたお友達も、裸足で入る田んぼは本当に氣持ちよくて、夢中で苗を植えていきます。アメンボ、タニシ、蛙などはもちろん、最近田んぼでも見ることが少なくなったアカハライモリなんかもいて、豊かだなーとここでも感じるのです。
機械で植えたものと比べると、S字のようになっている場所があったり、列が途中で合流してしまったり。それでも美しい田んぼの姿に、みんな大満足。
最後にカモよけの糸を張って今日の作業は終了です。
河内さん自身が田植えをする時は、糸を1人で張るのは大変だからと糸は張らずに、田植えが終わった日はそこで一晩過ごすんですって。カモが来たら、バケツをドンドン!と叩いて追い払うんだそう。でも1.2日経てば根がしっかり張るので、カモがそこを泳いでももう大丈夫。稲って本当にすごいですね。
夏休み明けには、かかしづくりも待っています。色々な姿に変わっていく稲や田んぼ。稲刈りが楽しみです!
なかむらあや(在校生保護者)