2019.02.13
シュタイナー保育園とねりこ子どもの家の一日
学校法人シュタイナー学園 ニュースレター
VOL.53 2019.02.13
「シュタイナー保育園とねりこ子どもの家」は、2018年3月に開園した認可外保育施設(企業主導型保育事業)です。とねりこ子どもの家の施設長から、保育園の一日をご紹介します。
とねりこ子どもの家の朝は、ゆっくりとはじまります。保護者に連れられてお部屋に入ってくると、まずは帽子と上着を自分の場所にかけ、上履きを履くことから。週明けの登園だと、保護者にべったりでなかなか離れられない子もいて、保護者に「一緒に~」とせがみます。
手を洗って、うがいをして、保育者と「おはようございます」の挨拶を。これから仕事に向かう保護者にとっては少しの時間も惜しいところと思いますが、子どもたちが一日とねりこで安心して過ごせるように十分な時間をとっていただきます。
それから子どもたちは室内のおもちゃで思い思いの遊びをはじめます。とねりこにあるおもちゃは遊び方の決まっていないものばかり。素材を生かした木の積み木や木の実、貝殻、石、綿やシルクの布、丁寧に編まれた遊びひも、そして毛糸で編まれた動物たち、赤ちゃん人形…。大きなついたてでお店屋さんやお家を作ったり、椅子をたくさんつなげて電車や消防車を作ったり。子どもたちはファンタジーの心を働かせて、次から次へと遊びが変化していきます。そのかたわらで保育者はとねりこに必要な手仕事をしたり、お掃除をしたり。大人の真剣な姿がそこにあることで、子どもたちを自身の遊びの世界へと夢中にさせます。
お片づけをすると、朝の集まりとライゲン(季節の情景や仕事の模倣を取り入れた輪になってする遊び)の時間です。小さい子も大きい子も一緒に手を取り合って動きます。
そして手作りのおやつを食べると、外遊びに出ます。傾斜のある園庭を走りまわり、木に登り、お砂場での造形遊び…。「見て~!」「こっちに来て~!」と、季節の風やおひさまの光を浴びながら、元気いっぱい動き回ります。外遊びの後は、穀物とお野菜を中心に使った手作りの昼食。昼食を食べながら「おいしいから全部おかわりする!」「また作ってもらおうね!」と口々に言います。
そのあとはお昼寝の準備をして、素話※を聞き、お祈りをすると布団に入ります。なかなか眠りにつけない子どもも、保育者の子守歌を聞きながらマッサージをしてもらったり、足を温めてもらったりするうちに順々に眠りの中へ。もうお昼寝の必要のない子どもたちも身体と心を休める時間をとり、保育者とのコミュニケーションを楽しみます。そしてお昼寝から目覚めるとおやつを食べて、順々にお迎えが来るのを待ちながらまた午後の遊びに入ります。
日々うまくいかないことも、子どもたち同士のぶつかり合いもたくさんあります。でも、子どもたちも大人たちも日々学びを続けていること、そして保育者やスタッフ同士が信頼し合う関係の中にいることで、子どもたちが安心して過ごせるようになってきているようです。このとねりこを第二のお家として安心して過ごしてもらうことが願いです。
※ 本などを読まずに、素語りで語って聞かせるお話
シュタイナー保育園とねりこ子どもの家 施設長 石橋理香子