学校法人 シュタイナー学園

活動報告

2019.02.27

暮らし

冬のたのしみ

学校法人シュタイナー学園 ニュースレター
VOL.54  2019.02.27

「ここの冬は長く辛いよ~」藤野に越してきた年の秋、そうご近所さんに言われました。

新緑がピカピカ光るような春、湖から心地よい風の吹く夏、山々が赤や黄色に色づく秋…移りゆく季節を楽しんでいたところに、田舎暮らしの真の厳しさを予感させる一言でした。そして迎えた初めての冬。都内の寒さとは種類の違う、身体の芯が凍るような寒さは、エアコンなんて生ぬるいものじゃ温まらず、火!火を感じたい…と、藤野の多くの家で薪ストーブが導入されている理由を身をもって感じました。

また都内では数センチしか積もらないような雪でも、山間部の藤野ではどっさり何十センチも積もることもあり、近所の方と協力し一日雪掻きしてクタクタに。雪が降らなくても毎朝氷のような霜が庭一面を覆い凍ってしまった車の窓をゴリゴリ削るのが日課に。気づけば両足に子どもの時以来のしもやけが出来ていて、「なるほどここの冬は確かに厳しいなあ」と実感。でも、大人の横で子どもは冬を全身で楽しんでいます。雪が降れば存分に雪遊びを楽しみ、毎朝庭の霜柱を踏みならします。先日は学園の校庭にある池に出来た大きな大きな氷をクラス全員で協力して取ったことを、二年生の娘は大喜びで報告してくれました。そんな姿を見ていると、この厳しい寒さもまた季節を楽しむ醍醐味のように感じてきます。

窓にぶら下がったつらら、雪の翌日の木々の美しさ、晴れた夜の星々。息を飲むほどきれいなものもたくさん見ることができました。2年目の今年、薪ストーブがない我が家は昔ながらのストーブの上でお湯を沸かしたりスープを煮たり。こんな時間を楽しみながら、またふくふくと蕾が膨らみ芽吹き出す春を待つのもなかなか良いものです。

ライター 中村暁野