2019.12.18
アドヴェントを楽しむ大人たち
学校法人シュタイナー学園 ニュースレター
VOL.74 2019.12.18
このたびの台風19号により被災されたみなさまには心よりお見舞い申し上げます。
クリスマスヘ向かうアドヴェントのこの時期、シュタイナー学園の子どもたちは「アドヴェントの集い」をはじめとするこの時期ならではの体験を通し、心静かに、でも少しわくわくしながらクリスマスを待ちわびる日々を過ごします。一方保護者たちはというと、11月頃から少しずつそわそわし始めます。アドヴェントカレンダーの用意は?アドヴェントのしつらえの準備は?などなど…。学園には、子どもたちの学園生活を支えるための保護者による活動グループがいくつもあるのですが、今回はその中でアドヴェントに特に関わるグループをご紹介します。
アドヴェントカレンダー係
「アドヴェントカレンダー係」は、毎年アドヴェントカレンダーを販売しています。シュタイナーの思想を学んだアーティストたちの作品をイギリスから輸入しており、どれも美しくあたたかく、柔らかい雰囲気のカレンダーです。毎日一つずつカレンダー上の小さな窓を開けると、中には動物や小人や宝物が隠れています。今日は何かな?と開ける楽しみと同時に、まだ開いていない窓の数を数え、あと○日でクリスマスだ!と気づいてそわそわする子どもの様子は、見ている親も楽しい気持ちになります。クラスにもカレンダーは飾られますが、家でもこの楽しみを味わいたい家庭も多く、販売日には今年はどれにしようかと迷う保護者たちで賑わいます。
ろうそく作りの会
アドヴェントに欠かせないミツロウろうそくを作っているのは「ろうそく作りの会」です。熱で溶かしたミツロウの中にろうそくの芯を静かに浸し、引き上げ、冷えて固まるのを待つ。それを繰り返しながら少しずつロウをまとわせてゆく、ディッピングという方法でろうそくを作ります。製作中は部屋中にミツロウの甘い香りが漂い、完成したろうそくが金色に輝き並ぶ光景は、思わず微笑みとため息が出てしまうほどです。
WERK
手しごと好きの保護者が集まる「WERK(ヴェルク)」は、卒業生保護者との協働で、羊毛のアドヴェントカレンダーを製作し、学園内外へ販売しています。一日ごとに羊毛の包みを開けると小さな贈り物、そして日曜日にはくるみの殻のキャンドルと小さなお話が入っています。羊毛を虹色に染めたり贈り物を手作りしたりと、春から時間をかけて製作しているこだわりの逸品です。
日付の入った包みを開くと、小さな贈り物が入っています。
また、家でも教室のようなアドヴェントの飾りつけをしたい、でも羊毛人形を作ったことがない…そんな保護者を対象に、ヨゼフとマリア、動物などを作るワークショップを開催しています。暖かい部屋に集まり、先輩保護者から教わって羊毛をちくちくするひとときはとても和やかで豊かな時間です。飾り方のポイントなども教わり、子どもはどんな反応をするかな?と想像しながらこっそり家に飾るのは、大人ならではの楽しみかもしれません。(子どもには、親が作ったことは内緒です。)
しつらえ係・季節のテーブル係
さていよいよ来週からアドヴェント、というその週末、「しつらえ係」と「季節のテーブル係」は大仕事です!どちらの係も年間を通して玄関や教室などを季節にふさわしい草花や人形などで飾っていますが、この時期は、青い布でいたるところが覆われ、イエス生誕までのマリアとヨゼフの長い旅の様子が表現されたアドヴェントのしつらえが施されます。
こうして多くの保護者の協力のもとに事前に準備が進められ、学園で、そして家庭で、アドヴェントを迎えるのです。
1年で最も闇が濃く深い「冬至」へと向かうアドヴェント、そして光の誕生であるクリスマス。それは宗教上のものであるのみならず、自然と関わり生きていく中での大切な祝祭のひとつであると学園で学んでから、なお一層この時期が特別に感じられます。クリスマスまでもうすぐです。
アドヴェントについては、学園HPにも掲載していますのでぜひご覧ください。
アドヴェントについて
保護者・ライター/上田奈々