学校法人 シュタイナー学園

活動報告

2020.06.10

保護者

シュタイナー学園のお父さんたち

学校法人シュタイナー学園 ニュースレター
VOL.82  2020.06.10

先日、5年生クラスのお父さんたちと初めてのオンラインパパ会がありました。学校が突然休校になり数ヵ月。普段なら学校への送迎、数ヵ月ごとのクラス会、何かと土曜日に多い学校行事などで顔を合わす面々と久しぶりに話せて懐かしく、元気な姿が見られて嬉しい時間となりました。まだ子どもたち同士は顔を合わせていないのに転入生のパパ二人も加わり、和気あいあいと過ごした3時間でした。

毎日2時間かけて都心へ通勤しているIT関係のNさんはずっと在宅勤務、都内で飲食店を経営しているOさんは厳しい環境にも関わらず持ち帰り特需でなんとかしのいでいる様子、玩具店を営んでいるTさんはボードゲームやカードゲームが飛ぶように売れ、藍染プレミアムマスクをせっせと自宅で内職中、学校へ楽譜販売をしているSさんは営業もそこそこ自宅で焚き火三昧、引っ越ししたばかりのMさんは調布と藤野に居を構え都心へ通勤する毎日、医療従事者である私はあまりメディアで取り上げられていない感染予防のノウハウを伝授、と話題に事欠きませんでした。

学園のお父さんたちはおよそ6割がいわゆるサラリーマン、4割が経営者や自営業、フリーランスといったところです。藤野地域を中心に高尾、西八王子、上野原、相模湖などに住み、大半は都心からの移住組です。最初は賃貸で、慣れてきたら新築戸建てという流れが多いです。都心へ毎日1~2時間かけて通勤しなければいけないお父さんにとって移住はかなりの勇気と家族への大きな愛、素晴らしい教育への情熱が必要です。でも、大抵のお父さんたちは「慣れてしまえば大したことない」と言います。都心まで座って行けて電車の時間を有意義に使える、在宅勤務やフレックスタイム制で通勤しやすくなっている、週末は家族と過ごす時間が増えた、と意外にも前向きな意見が多いのです。

更に新型コロナウイルスの影響で働き方は大きく変わるかもしれません。在宅勤務が増え通勤する回数が減り、感染リスクを避けて人口密度が低い地域へ移住が促進されそうです。家賃や生活費も都心に比べて安く、シュタイナー学園へ転入学を考えるお父さんにとっては移住を決断するハードルが下がりそうです。

私がシュタイナー教育に出会ったのは長男の幼稚園入園がきっかけでした。学園主催の体験授業で受けた感動を今でも忘れることができません。それは自然の摂理、自然の美しさを日常の勉強へ落とし込んだ実に見事なものでした。心に響き、心を動かされる授業は簡単には忘れません。私が受けたあの感動を子どもたちが毎日のように学校で受けることができたならどんなに幸せなことでしょう。このようにして12年間過ごした子どもたちが社会に出たらどんな活躍をするのでしょうか。沢山の卒業生たちがすでにそれを証明してくれています。昨年8月シュタイナー教育100周年の祭典では、テーマが「世界を変える学び」でした。今まさにコロナ禍において日常の常識が大きく変わろうとしています。シュタイナー教育はこれから迎える「世界が変わる時代」にますます必要とされる教育でしょう。そんな教育に憧れ、子どもに受けさせたい、自分の仕事はなんとかなるさ、そんな思いを持ったお父さんたちが多く集まる学園です。

ライター/保護者 伊藤彰洋