学校法人 シュタイナー学園

活動報告

2020.07.22

保護者暮らし

都心からの移住を決めた理由

学校法人シュタイナー学園 ニュースレター
VOL.85  2020.07.22

2020年6月 藤野に移住してきて1年3ヶ月。移住前は家族4人で東京都世田谷区用賀という場所に住んでいました。仕事はウェブサイトや映像の制作をしています。息子が学園で2年生、娘が藤野シュタイナー子ども園チトの年長に通っています。

たった1年ですが今ではすっかり藤野の生活に馴染んできました。移住を考えている方に向けて、少しですが移住を決める前と最近までの話を書こうと思います。

■移住前の藤野とシュタイナー学園のイメージ

藤野には、シュタイナー学園を知る前からキャンプ等で遊びに来たことは何度もあり、好きな場所であったのですが、普段都心で働く私には、住む場所として考えたことはありませんでした。

また、子どもの進学を考える時に、当時住んでいた地域は、公立小学校の評判もよく、そのまま地元の小学校に進学させるつもりでいました。

ある時、知人の薦めでシュタイナー学園と出会いました。

調べてみると私の子どもたちにすごく合っているな。これからの社会にとって大切なことが学べるなと感じましたが、決断を前にいくつか気になることもありました。

・教育が素晴らしく人として素敵に成長してきても、そんな子どもたちが社会に出ていくことは、大丈夫なのか。卒業後どこへ向かっていくのか。

・これまでずっと都市で暮らしてきた私たちに田舎での生活は本当に馴染むのか。普段からアウトドアや自然も好きではあるが、家族みんなでそこで「暮らす」ことに不安はありました。

・下の子が通う保育園(幼稚園)をどうするか。

■移住を決めたきっかけ

ある時、藤野在住で子どもをシュタイナー学園に通わせて、もうすぐ卒業を迎えるお父さんにお話を伺う機会がありました。そこで伺ったことは、高校卒業前に子どもたち自身がどんな進路に進みたいのかを自分で決めることができるようになる、ということでした。

「大学で、〇〇を勉強したいから大学に行きたい。」

「こんな夢があるから、留学したい。」

「〇〇をしたいからすぐにそれに関わる仕事をしたい。」

各々が明確な意志を持って、卒業を迎えていくという話をききました。

また、たまたま卒業生のことが書いてあるウェブの記事を見かけました。あるシリコンバレーの大手企業でロボットを作っているという記事です。

シュタイナー学園では、高学年になるまでは、基本的にはPCやスマホには触れないように生活しています。そんな子どもが卒業後にこんな会社でロボットを作っているということがわかり、これがこの前聞いた「自分が行きたい進路を自分で決めて進む」ということなのだな、と感じました。

■生活をしてみての藤野

シュタイナー学園への進学を決め、家を無事見つけ、下の娘の幼稚園(子ども園)も決まり、2019年3月に藤野に引っ越してきました。

普段の藤野生活では、生活で困るようなことはほとんどありませんでした。

家賃も都心に比べたらずっと安いし、スーパーもドラッグストアもホームセンターも100円ショップもコンビニも車で15分圏内にあるし、少し車を走らせれば大型ショッピングモールもいくつもあることがわかりました。

特殊なものは、ネットで買えばすぐに届くし、生活で不便を感じることがありません。

なにより窓から見える自然に囲まれた景色と、窓を開けた時に入ってくる空気の気持ちよさは都心では感じることの無いものでした。

仕事の関係で毎日PCにばかり向かっている生活ですが、そんな空気に癒やされながら生活をしています。

夜にフラフラしているとイノシシに遭わないか、と心配することもありますが基本的には安全で充実した生活を送っています。

温泉に頻繁に行くこともでき、1年以上経った今でも毎日がちょっとした旅行気分です。

最後に、ここ藤野で生活する上で、すごく助かったことは、シュタイナー学園の保護者同士のつながりです。親も積極的に学校と関わることが多いので、自然とコミュニティが形成されます。そのおかげで、困った時に相談できる人たちが自然と増えていきます。きっとこうやって、親子共々この自然の中で成長していくのだろうな、と感じています。

ライター/保護者 湯川伸矢