学校法人 シュタイナー学園

カリキュラム

シュタイナー学園では12年間にわたる小中高一貫教育で、
学年ごとの子どもの発達段階に合わせた
独自のカリキュラムを実践しています。

シュタイナー学園では
12年間にわたる小中高一貫教育で、
学年ごとの子どもの発達段階に合わせた
独自のカリキュラムを実践しています。

シュタイナー学園のカリキュラムは、6歳(小学1年生)から18歳(高校3年生)までの12年間一貫教育です。学年ごとの子どもの発達段階に合わせた、きめ細やかなプログラムが練られています。国語・算数・理科・社会などの主要教科から、フォルメンやオイリュトミーといったシュタイナー学園独自の教科まで様々ですが、そのどれもが感覚や体験を重視する授業を展開しています。近年話題のアクティブラーニングの先駆けとも言えるでしょう。ドイツで始まり100年にわたり継続してきた独自のカリキュラム。シュタイナー学園で行っている授業のほんの一端ですが、ここでご紹介いたします。

エポック授業105分×3週間

基本科目(国・算・理・社・フォルメン線描(初等部))は、毎朝1時間45分を使って、3週間前後ひとつの科目をじっくり学びます。この時間を、エポック授業と呼びます。同じ科目のまとまった学びは年に数回。たっぷり浸って学んだ後は、しばらく休んで別の科目に入ります。学んだことをいったん忘れることによって、それが新しい段階の記憶となって意識下に蓄積されていきます。

いくつかの特徴的な科目

シュタイナー教育では、すべての科目に芸術的な手法が織り込まれ、子どもの成長に合わせたカリキュラムが配慮されています。ここで紹介する専門科目も、それぞれの科目が他の学びと有機的につながり、“あたま”(知性)・“こころ”(感情)・“からだ”(意志)にバランスよく働きかけます。

オイリュトミー

音と言語を、体の動きであらわすオイリュトミーは、全学年の必須科目です(オイリュトミーの名は、ギリシャ語に由来し「美しい調和のリズム」を表します)。言葉や音楽の中に息づく様々な法則性を全身で動きながら、子どもは心と体との一致を感じとります。また、シンプルなフォルムから始めて、学年が上がるにつれ、次第に幾何学的なフォルム、より複雑で抽象的なフォルムを動き、それにより方向感覚、柔軟な思考、自然で美しい歩みと身体の動き、空間の中で他者とともに動く社会性を身につけます。

フォルメン線描

フォルメン線描は、身体を動かすことから始めて、その動きの軌跡として直線や曲線が表れることを体験します。形が動きから生まれる体験をもとに、連続するフォルムや線対称、点対称のフォルムを描くことで、形や空間のバランスに対する感覚やリズム感を育て呼吸も整えられてきます。フォルメンは、子どもたちの成長に合わせて、より複雑に交差や広がりを持つものになり、文字の導入や幾何学へとつながっていきます。

水彩から絵画へ

それぞれの色には異なるニュアンスがあります。それは、色彩の本質から私たちが感じ取るものでもあります。水で濡らした紙の上に広がる色、そして色と色が出合って生じる色彩のハーモニー。この体験は、子どもたちの中に色彩感覚を育てていきます。学年が上がると、色の動きの中から形を浮かび上がらせて、動物や植物など、エポック授業でとりあつかう具体的な内容に入っていきます。

美術・工芸

身近な素材である木の枝や粘土を使い、彫る、捏ねて形を整えるなど、自らの手で形を生み出していく体験をとおして、子どもたちは素材の性質を知ることになります。そのことから自分と素材、自分と世界との関係性を学び、自らの手で世界を創り上げることができることを学びます。また、子どもたちは粘土の動物、木の楽器や道具を制作し、素描を描きながら、自らの中に「観る」力を育てていきます。子どもたちが観る『形』には、調和と意味があります。何を作るか、ではなくどのように作られていくのかというプロセスを大切にし、形あるものがどのような生成のプロセスを通って形を成すのかを学びます。思春期を超えると生徒自身の中で自分と世界という対峙する二極間での緊張関係が生じます。その生徒の内面の変化に呼応するように、美術におけるテーマも「対峙する二極の関係」や「変容」へと変化します。

手の仕事

編み物、刺繍、人形作りなど、成長に合わせたテーマで様々な課題に取り組みます。手を意識的に使い、生活の中で意味のあるものを作り出すことが、周囲の世界との生きたつながりを作ります。

園芸

四季の巡りを感じつつ、大地に立ち、野菜や果樹を育てながら、周りの環境を整える活動を行っていきます。仲間との共同作業を通して、大地の恵みをわかち合い、生命と自然への理解を深めていきます。

音楽

音楽は子どものリズム器官に結びつき、正しい呼吸を育てます。また、聞くことを通して、内面の「静けさ」を体験します。メロディ・リズム・タクト・ハーモニーなどの要素を成長段階に合わせて取り上げ、創造性、豊かな感情を育てます。

外国語

小学1年生から外国語を学びます。英語のほかに6年生までは中国語も学んでいます。言葉の響きや文型は、その国の文化を背景に持っています。言語を学ぶことで他者とその文化を尊重する心を育みます。子どもたちは外国語で歌い、劇を演じ、やがては文章を書く中でそれを体験します。外国の地理や歴史など、エポック授業と連携し、成長に沿った題材を扱います。

演劇

言葉や音楽、美術、社会などあらゆる学びの統合として、成長段階にふさわしい演劇を行います。低学年の頃から校内の行事や祝祭などで演じる小さな劇から、劇場で演じる8年生、12年生の劇まで様々な規模で上演しています。特に12年生の卒業演劇では、戯曲選びから道具、衣装、背景画、音楽、照明、広報など全過程を生徒が主体的に取り組みます。